4月3日(土)10時。麗らかな小春日和。
久之虎が土俵人生に別れを告げる日となりました。コロナ禍の中で盛大に見送る事は叶いませんでしたが、15年間に及ぶ相撲人生を振り返り本人はすでに涙が止まりません。
最高位は幕下16枚目。
尊敬する同郷和歌山県出身の久島海関が興した田子ノ浦部屋に入門。大きな体を生かした突き押しを武器に出世しましたが、8年後に師匠の急逝により出羽海部屋へと移籍してきました。
厳しい師匠に育てられた力士達はすぐに部屋の一員として打ち解け、良き仲間良き稽古相手として頑張ってくれました。
しかし好事魔多し。
度重なる目の怪我により次第に休場が多くなり、突き押しの久之虎にとって頭で当たれないジレンマの中でコツコツ過ごす日々。
その中で昨年九月場所の学生実力者ひしめく序ノ口優勝は、長年叩き上げた相撲の炎が最後に燃え尽きるが如く存在感を示し、部屋のみんなが感動したものです。
粛々とした断髪式で流す涙の意味は本人しかわかりませんが、これから一般社会人として立派に成功してくれると信じてます。
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【久之虎からのご挨拶】
私は今場所を持って引退する事になりました。
田子ノ浦部屋に入門し、まだ若い師匠から大相撲のいろはをイチから教えて頂きました。
久島海師匠が急逝した時はショックで茫然自失でしたが、師匠が現役時代を過ごした出羽海部屋に移籍し、歴史と伝統のある名門の一員として過ごせた日々は誇りです。
全国の後援会や笹川夏合宿の皆様に支えられ、部屋の親方衆に指導して頂き、御嶽海関の幕内優勝も体験でき、本当に充実した相撲人生でした。
今後は一般社会人として立派に働き、OBとしてもサポートして参ります。コロナ禍で挨拶に伺えず残念ですが、本当に15年間ありがとうございました。
森信之